転職に自信が持てないのは、能力や実績が足りないからだけではありません。自分の経歴や強みを正しく認識できていないことも、自信を失わせる原因になります。
スキルや経験に自信がなくても、これまでの職歴を整理し、進む方向が見えれば、自信がないままでも転職に踏み出すことはできました。
この記事では、私の実体験を交えながら、自信が持てなくなる理由と考え方を解説します。
自信を持てないのはなぜ
転職活動中、「自分には無理かもしれない」と自信を失ってしまう人は少なくありません。
その不安の本質は、能力の不足そのものというよりも、「自分の現状や強みを正しく把握できていないこと」にあります。
- スキル不足: 応募条件の高さに直面し、スキルがない自分には価値がないと感じてしまう。
- 経験不足: 「未経験可」の求人であっても、実務経験がないことで引け目を感じてしまう。
- 強みが分からない: 自分にとっては当たり前すぎる過去の経験が、転職の強みになると認識できていない。
- キャリアの展望がない: 「どう働きたいか」が定まらず、応募や志望動機に一貫性が持てなくなる。
スキル不足
上京した当初、私はクリエイティブ職に憧れを持っていました。転職活動をするたびに、こういった職業の求人に自然と目が向きました。
しかし、クリエイティブ職の現実は厳しく、そもそも未経験者を育てる土壌がないことに気付きました。
求人を見ても、たとえばWebデザイナーなら
photoshop、Illustratorの実務経験およびHTML/CSSのコーディング経験3年以上
実績を証明するポートフォリオの提出
など、応募の時点でスキルを証明するものが求められていました。
「憧れ」や「やる気」だけでは太刀打ちできない。
スキルがないことを実感し、求人を探す手が止まりました。
私は、スキルがない自分は転職市場でも価値がないと感じて、自信を失っていたのだと思います。
経験不足
クリエイティブ職への道が閉ざされた私は、残る技術職に賭けて転職活動していました。
28歳のときの転職活動で、「未経験可」の技術職の求人に応募していて、面接に応じてくれたIT企業がありました。
一発勝負の社長面接で、こう聞かれました。
「未経験といっても、プログラミングの経験くらいはないと。あなた、経験はあるの?」
当時の私には、趣味や遊び程度のプログラミングの経験はありましたが、転職でアピールできるような実務経験や実績はありません。応募しても確実に経験者に負けるでしょう。
経験が無いと、やりたい仕事に就くための土台にすら乗れない。
私は、経験のない自分が技術職に転職するのは無理かもしれないと思うようになり、自信を持てなくなりました。
強みが分からない
私は、転職活動で常にクリエイティブ職や技術職といった、未経験の仕事を探していました。営業職から技術職に転向したいという思いがあったからです。
そのため、これまでの営業経験を「自分が持っている強み」として考えることができていませんでした。
もし当時、自分の職務経験を転職の好材料として認識できていたら、選択肢はもっと広がったと思います。
例えば営業職の場合、新規開拓や飛び込み営業だけではありません。既存顧客との関係を深める深耕営業やルート営業もあります。営業経験を活かして、自分に合う営業職へ移るという選択もできたはずです。
私は「技術職に転職するには、技術職の経験が必要」と考えるばかりで、営業職として積み重ねてきた経験を、自分の職務経歴として評価できていませんでした。
当時の私は「自分には強みがない」と思っていました。でも、強みがなかったのではなく、自分にとっては当たり前すぎる経験を、転職の強みとして認識できていなかったのです。
キャリアの展望がない
クリエイティブ職や技術職といった仕事に強い興味があるものの、具体的な仕事は見えていないまま転職活動をしていました。
憧れの職業、やってみたい職業はあっても、具体的にどの職業でキャリアを積んでいくのか、どの職業で食っていくのかを決め切れていなかったのです。
「やりたいこと」であれば何でもいい。とにかく仕事をして、食っていければいい。
だから、見ている求人もバラバラ。応募も一貫性がありません。志望動機も場当たり的で、「どうして応募したか」は書けても、「どう働きたいのか」「どう成長していきたいのか」を答えることができません。
自分はどうなりたいんだろう。
これがはっきりしないと志望動機もあやふやで、転職活動への意欲がなくなってきます。
私は転職に自信を持てなくなっていきました。
自信がないとどうなるか
未経験の仕事に挑戦できなくなる
あれほど憧れていたクリエイティブ職でしたが、求人時点での要求の高さに、私は成す術がなく、諦めざるを得ませんでした。
それ以降、求人サイトを開いても、クリエイティブ系の職種には目が向かなくなりました。
「自分には無理だ」と、応募条件を確認することもなく、最初から選択肢に入れなくなりました。
ネット上では、未経験からデザイナーに転職したという転職成功談をちらほら見かけます。でも、「すごいな」とは思っても、自分に置き換えて考えることはありませんでした。
あの時の挫折感が、その後の転職活動を変えてしまいました。
挑戦する前から諦めてしまう。それが、自信のなさが大きく影響を及ぼしたものでした。
転職先が決まると思えなくなる
28歳のとき、私は「未経験可」と書かれた技術職の求人を見つけては、片っ端から応募していました。
しかし、返ってくるのはほとんどが不採用の連絡か、そもそも返信すらない沈黙でした。
何社応募しても、面接にすらたどり着けない。
唯一、面接まで進めた会社でも、結局は経験を理由に落とされました。
「未経験可」と書いてあっても、実際には経験がなければ相手にされない。
そのうち、求人票を見るだけで、「どうせ今回もダメだろう」という予感が先に立つようになっていきました。
応募する前から、落ちる自分が見えてしまう。転職先が決まる自分の姿が、想像できなくなっていたのです。
転職に自信は必要だったか
技術職に憧れ続け、「どうしても技術職に近づきたい」という思いでIT業界にもぐり込みました。で、30歳の時点での技術職の経歴はわずか2年ちょっと。
知人から携帯電話会社の求人募集を聞き、「やってみたい」と思う反面、「技術職の経験」「移動体通信業界の経験」が浅い自分でもやっていけるのか…。
でも、「やりたいです」と即答しました。
自信が十分にあって即答したのではありません。「自分にできる」と確信していたわけでもありません。それでも、「これを逃せば技術職に近づく機会を逃す」と思い、キャリアを前に進めることを優先して決めました。
職歴はスキル・経験・強みの積み重ね
振り返ってみると、私は転職活動で「スキルがない」「経験がない」「自分には強みがない」と何度も感じていました。
でも、実際には何も持っていなかったわけではありません。
これまでの仕事で身につけたスキルがあり、積み重ねてきた経験があり、自分では気付いていなかった強みもありました。
職歴には、スキル、経験、強みが積み重なっています。
それを次の仕事にどうつなげるかを考えることが、キャリアを作っていくことなのだと思います。
私は、自信があるから転職したわけでも、自信がついたから転職したわけでもありません。次に進みたい方向を決め、その方向に進むために転職してきました。
自分の市場価値を知る方法
いま現在の自分の経歴・スキルが、転職市場でどれほどの価値があるのかを知る方法があります。
企業側からオファーしてもらえる転職サービスでプロフィール(職務経歴)を入力しておけば、そのプロフィールを見た企業が「自社の求める経験・スキルだ」と判断すればオファーしてもらえます。
つまり企業からどのようなオファーが届くのかを見ることで、自分の経験やスキルが転職市場でどう評価されるのかを知る手がかりになります。
プロフィールを詳細に作成すればするほど、オファーの精度も上がります。
「自分の経験やスキルが転職市場で評価されるのか分からない」という不安があるなら、こうしたサービスを使って市場からの反応を確認してみるのも一つの方法です。
