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転職したいけど勇気がない|勇気の正体は「取捨選択する決断力」だった

「転職したい」とは思っても、なかなか勇気が出ないものです。

私は転職が多い方ですが、それぞれの転職で、勇気が要る場面がありました。

ただ、振り返ってみると、転職の『勇気』になったのは『決断する力』だったような気がします。

転職に必要なのは、勇気を振り絞ることではなく、何を捨てて何を取りに行くのかを決めることでした。

私が転職を決断したきっかけ

私の転職経験を振り返ってみると、それぞれの転職の場面で、勇気になったきっかけがありました。

25歳の転職:「東京に出たい」道が閉じられたことに納得できないという思い

私は25歳の時に初めて転職しました。当時は、地元の保険会社の営業として働いていました。

転職のきっかけは、「東京に出たい」という学生時代からの思いに反して、仕事によってその道が閉ざされていくことに納得できなかったというところです。

私がやっていた保険営業には、5年後に保険代理店として独立する道が用意されていました。地元で顧客を固め、地元で保険代理店になる。

でも、それは、本当になりたい自分なんだろうか。

このままだと、東京に行けなくなるんじゃないの?

私は、「どうなるか分からないけど、東京に行こう」と決断して、東京で仕事を探すことを選びました。

26歳の転職:「東京に戻って、やりたい仕事に就く」という原点への立ち返り

東京に出たものの、仕事が見つからず所持金が尽きた私は、まずは生活を立て直さなければならない状況に陥り、寮付きの自動車製造工場に転職しました。

26歳の時点で、私は愛知県の自動車メーカーの工場で期間従業員として働いていました。

転職のきっかけは、「東京でやりたい事を見つけたい」という、上京当初の思いを捨てられなかったことです。

自動車メーカーには、社員登用の制度があり、社員からも「受けたらどうか」と勧められていました。大企業の正社員になれば、将来は安泰。だから、期間従業員には社員登用を目指す人も多くいました。

でもやっぱり、上京した当初の動機が、

「自分のやりたい事を仕事にする」

という目的にあったことを思うと、東京に戻らなければならないという結論になり、期間従業員の更新を断って、再び東京で仕事を探す決断をしました。

27歳の転職:「辞めるなら今だ」と退職を優先

東京に戻って、やりたいと思った求人に応募していきましたが、結果はどれも不採用。生活を維持するために、とりあえず宅配便の荷物仕分けの仕事に転職しました。

27歳の時点で、私は宅配便ターミナルの夜勤番で働いていました。

転職の直接のきっかけはケガでした。

宅配便ターミナルでの作業は、まぎれもなく肉体労働で、夜勤番の拘束時間は長く、作業場は怒号が飛び交う完全なブラック。しかも、辞めにくい空気もありました。

仕事を休んでいるうちに、「本当にあの職場に戻りたいのか」という疑問が生まれます。

辞めるなら今しかない。

私は、転職活動よりまず先に、今のブラックな職場、劣悪な環境を捨てる決断をしました。

28歳の転職:「やりたい事でキャリアを作らなければならない」という気付き

スキルが無いことに気付いた私は、製造業 → 運輸業 とガテン系を渡り歩き、建設業に興味を持ちました。

28歳のとき、私は建設現場で養生屋として働いていました。

転職のきっかけは、「この仕事で将来を、キャリアを描くことができない」という思いからでした。

養生屋の仕事は、モノづくりが好きな自分の気質には合っていました。現場監督に名前を覚えてもらうと、徐々に指名されるようになり、それがやりがいにも感じるようになっていきました。

しかし、この仕事を続けて行って将来はどうなるのかという疑問が生まれます。

自分はどうなりたいの?

「やりたい事でキャリアを作っていかなければ、いつまで経ってもやりたい仕事に就けない」と気付き、本当にやりたい仕事に近づけるための転職をする決断をしました。

29歳の転職:派遣切り「どうしてもやりたい事を仕事にしたい」こだわり

技術職に転向したかった私は、雇用形態のこだわりを捨てて、派遣でIT業界にもぐり込むことにしました。

29歳の時点で、私は無線調査会社で無線調査や解析の仕事をしていました。

転職のきっかけは、合併に伴う会社消滅による派遣期間の終了でした。

無線調査会社での仕事は、自分自身がステップアップしていくのを感じたし、無線の世界にはまっていることを自覚するほど夢中になっていました。私は、この仕事を続けたかったです。

転職活動を再開しましたが、とある派遣会社に登録面談に行った際に、「うちで営業をやりませんか?」とお誘いをもらいました。

しかし、

「どうしても技術職として働きたい」

という思いを捨てられず、派遣のまま技術職の経験を積む方を選択する決断をしました。

30歳の転職:「年齢的にも道を決めなければならない」という思い

派遣会社から紹介されたカーナビ事業会社に勤務することになりました。

30歳の時点で私は、カーナビ事業会社でカーナビの品質管理部門で働いていました。

転職のきっかけは、「専門的なスキルが身に付いていない」と感じたことでした。

この会社は、社員がみんな優しくて、社員と派遣の仲も良く、職場環境に恵まれていました。社員登用の制度があり、「面接を受けてみたらどうか」と声をかけてもらいました。

そこで、私は仕事について考えるようになりました。30歳という年齢も意識しており、

何で生きていくか、決めなきゃならない

という思いもあって、30歳のうちにもう一度だけ転職活動をしようと決断しました。

勇気が出ないのはなぜか

転職において勇気が出ない、踏み出せない理由は、「今の安定や将来を捨てるのが惜しい」「転職先の新しい環境でうまくやれるかという不安がある」という2つに収束すると思います。

私の転職経験のそれぞれにも、毎回、取捨選択があって、迷いがありました。

転職に必要なのは、勇気を振り絞ることではなく、何を捨てて何を取りに行くのかを決めることだったような気がします。

今の安定や将来性を捨てるのが惜しい

私の経験では、転職する勇気が出ない場面に「捨てるのが惜しいもの」がありました。

25歳のときの保険会社の場合
・営業社員の独立を支援しており、5年後には保険代理店として独立する道がある。
この転職のときは、保険代理店として独立できるという堅い将来があり、本当にこれを捨てるのかというところで迷いました。
しかも、辞めて東京に行ったところでどんな仕事に就けるのかも分からない。
確かな将来を捨てて、不確定な生き方を選ぶことには、なかなか勇気が出ませんでした。
26歳のときの自動車メーカーの場合
・社員登用制度があり、大企業の正社員になれる道がある。将来は安定、安泰。
・給与は平均水準以上。福利厚生も整っている。
この転職のときは、自動車メーカーの社員になれる道を提示されて、迷いました。給与も良く、ちゃんと休日も取れて、生活は安定していました。
お金が貯まり次第、東京に戻ろうと決めていたにも関わらず、安定した今の生活を捨てるのが惜しくなったわけです。
安定した将来が見える仕事を捨てる勇気が出ませんでした。
30歳のときのカーナビ事業会社の場合
・社員登用制度があり、正社員になれる道がある。職場はホワイトで働きやすい。

この転職のときも、社員登用制度の話を聞いて迷いました。職場の雰囲気は良く、社員もみんな優しくて、働きやすい環境でした。

当時の自分の仕事は、技術職ではあるものの実務は事務職に近い感じでした。でも、社員になれば働き方だって変えられるかもしれない。

ホワイトな労働環境を捨てる勇気がなかなか出ませんでした。

転職先の新しい環境でうまくやれるかという不安がある

私にも、転職先の新しい環境でうまくやれるかという不安を感じた転職がありました。

25歳の自動車製造の工員への転職の場合
・自動車工場の仕事は体力的に相当きついと聞いたことがある。夜勤もある。自分にできるのかという不安はあった。
25歳のときの転職は、私にとって初めての転職でした。
自動車工場の仕事は、保険会社とは全く違う世界。どんな人が働いているのか、肉体労働はどれくらいきついのか、夜勤の生活に耐えられるのか。もう不安だらけでした。
考えていても勇気は出ない。「だめだったら3ヶ月で東京に帰ってこよう」と思って転職することを決めました。
30歳の携帯電話会社への転職の場合
・技術職としての経験が浅い自分にできるのかという不安はあった。
・人が足りない状況で、毎日残業になると言われた。

30歳のときの転職では、能力的についていけるのか、やっていけるのかというところに不安を感じました。

「技術職に就きたい」と思って、その経験を積める仕事に転向しましたが、経験はわずか2年ちょっと

でも、経験の浅い自分に技術職に就ける機会はそうそう無いだろう。「いま決めなければ逃してしまう」という気がして、それが決断の勇気になりました。

転職は勇気のいることだったのか

私の転職経験を振り返ると、転職そのものに勇気が必要だったというより、今あるものを捨ててでも、自分が進みたい方向を選ぶ決断に勇気が必要だったのだと思います。

安定や将来性を捨てることにも、新しい環境に飛び込むことにも不安はありました。

それでも、自分の中で「何を捨てて、何を取りに行くのか」が決まったとき、迷いは小さくなり、転職するという行動に移ることができました。

勇気の正体は「決断する力」

私の転職経験では、勇気の正体は、何を捨てるか、何を取るか、自分の優先順位を決めることだった気がします。

「安定している」「将来性がある」といった好条件を捨てられないのは、優柔不断だからではなく、まだ、自分の優先順位が整理されていないからです。

  • 何を守りたいのか:職場環境、やりがい、役職、給与、休日、など
  • どこに向かいたいのか:キャリア、職種、業界、専門的スキル、など

私にも、「安定」「将来性」の好条件が見えた仕事がありました。でも、自分の中で「技術職に就きたい」という職種へのこだわりが決断力として働いて、それが勇気になっていたと思います。

「辞める勇気」と「踏み出す勇気」は別

私の経験では、「今の会社を辞めること」と「新しい環境に踏み出すこと」は、まったく別の勇気が必要です。

転職したいと思ったとき、多くの人は2つの不安を覚えます。

  • 今の会社を辞めることへの不安:周りに迷惑をかけるのではないか、生活できるのか、逃げだと思われるのではないか
  • 新しい環境に踏み出すことへの不安:未経験の仕事についていけるか、ブラックだったらどうしようか

これらは、切り分けて考えていいと思います。

まず必要なのは、今の会社を「辞める勇気」です。

27歳の転職のとき
・宅配便ターミナルのブラックな環境から抜け出したい。生活のことや次の仕事のことより、辞めることが優先。

辞めることは逃げではなく、人生の主導権を取り戻す決定でもあります。

今の環境に苦しんでいるなら、「次を決めてから」なんて綺麗事を言ってる場合じゃなく、まずは「辞める勇気」だけを持ってもいいのです。

次に必要なのが、新しい環境に「踏み出す勇気」です。

私の場合、25歳のときに自動車製造工場へ転職したときや、30歳で経験の浅い技術職の仕事を選んだときがまさにそうです。

やっていけるのか、きついかもしれない…そんな不安がありました。

でも、そこで必要だったのは、「本当にダメだったら、その時にまた考えればいい」という開き直りにも似た、とりあえず一歩目を踏み出す勇気でした。

チャンスを取りに行く勇気は必要

30歳のときの携帯電話会社への転職では、「技術職としての経験が浅い」「残業が多い」というところで不安はありました。

こんなとき、あの言葉が思い浮かびます。

チャンスの神様には前髪しかない

今、この仕事を掴まなければ、きっと後で「やっておけばよかった」と悔やむに違いない。

それで私は「この仕事をやろう」と即断しました。

転職の場面で「チャンスかもしれない」と感じたときは、それを取りに行く勇気が必要だと実感しました。