志望動機って何を書けばいいんだろう?考えれば考えるほど分からなくなってくる。
応募したい企業があるのに、志望動機がぜんぜん浮かんでこないことはよくあります。あまり難しく考えすぎると、”的”を外した志望動機ができあがります。中途採用する企業側が懸念しているのは次の2点。
- この人、うちの職場に合うかな?
- この人、うちの環境で続けていけそうかな?
私は20代に6回の転職をしてきて、今の職場では面接に立ち会うこともあります。面接する側に立つと、何を知りたくて転職者に質問しているのかが分かります。知りたいことはシンプルにこの2点です。
志望動機は、この2点をクリアするように書くことで、企業側の求める内容になります。
志望動機を難しく考えすぎ
- この人、うちの職場に合うかな?
- この人、うちの業務を続けていけそうかな?
応募したい企業があるのに、志望動機に何を書けばよいか分からないのは悩ましいものです。難しく考えすぎずに、上の2点に対する答えを書くのが正攻法です。
企業側がもっとも懸念しているのは、転職の経歴を持つ人を採用して、また辞めることになったら困る。ということです。企業側にとって、転職者は前科一犯。「また辞めることにならないか」という点を一番心配しています。(転職が悪い事だという意味ではありません。)
難しく考えすぎないで、シンプルに考えると次のような筋書きが見えてきます。
- うちの職場に合うかな? → 「同業他社に比べて、こういう点が御社の強みであると理解しています。募集していた業務は自分の経歴(またはキャリアプラン)に合っていると考えています。」
- うちの業務を続けていけそうかな? → 「いままでの経験・スキルは御社のこういう業務で活かせると考えています。こうなりたいという自分の目標にも合致するので働き続けることができます。」
つまり、御社は自分に合っていることを根拠をもって説明し、働き続けることができる理由を付け加えることで、企業側が知りたいことに答えている志望動機になるわけです。
深く考えないで書くと外す
- 企業側が知りたいことへの答えになっていないため。
- 辞める動機を志望動機と混同しがちなため。
志望動機を深く考えないで書くと”的”を外します。そして、企業側が知りたいことへの答えになっていない志望動機ができあがります。やりがちなのは、企業ホームページに書かれた経営理念や社風などの表面的な情報をもとに志望動機を考えること。
「経営理念に共感した」とか「社風に憧れた」とか、誰にでも言えそうな薄っぺらい志望動機になってしまいます。共感や憧れも大事ですが、企業が知りたいのは「なんでうちの会社なの?」「うちの会社で何をしたいの?」というところです。これを志望動機に書かないと”的”に当たらない。
深く考えないで志望動機を書いても、もしかしたら書類選考は通るかもしれません。でも結局は、面接で「なんでうちの会社なのか?」「うちの会社で何をしたいのか?」と聞かれることになります。なぜなら、それを答えることができる人なら一緒に働いていけるだろうと企業側は考えているからです。
辞める動機を志望動機と混同する人は多いです。「現職(前職)がどれほど酷い職場環境なのか」から始まり、「そういう職場環境ではなさそうな御社を選んだ」という筋書きになると、それは志望動機として伝わりません。
「こいつはうちの会社で同じ状況になったときに、また同じことを言って辞めるだろう」としか思われないからです。
転職の志望動機の考え方
- 企業側の懸念を払拭できるように考える。
- 企業側が求める人材にハマるように考える。
企業側の懸念を払拭
企業側の懸念は、「職場に合う人か」「業務を続けていける人か」です。この懸念を払拭する内容を志望動機に含めると、企業側は納得して安心します。
「職場に合う人か」という懸念は、次の内容で払拭できます。
- 御社についてこれくらい理解できている。(←企業HPから探る)
- 業務についてこれくらい理解できている。(←求人内容から探る)
- これらを理解したうえで自分に合っていると判断している。
「業務を続けていける人か」という懸念は、次の内容で払拭できます。
- 経験やスキルをこんなふうに活かせると考えている。
- 専門性を身につけてプロを目指したいと考えている。
- これらの目的に沿って働き続けていけると判断している。
企業側が求める人材
求人内容を見て、その企業がどういう背景で募集をおこなったのかを見抜くことも有効です。求人ニーズから逆算して企業側が欲しい人材像がわかれば、そこを突くことができます。
- 即戦力 → 同じ業界・職種で経験・実績がある人が欲しい。
- マネジャー候補 → マネジャークラスの人員に欠員が出た。リーダー経験がある人が欲しい。
- 未経験可 → 未経験でもいいから急いで人員補充したい。
自分が企業(職場)に合う人かどうかは、企業HPや求人内容を見て探っていきます。経営理念や社風、ビジョンみたいなものが目に付きますが、大事なのは業務について書かれているページです。
企業によっては、ホームページにも求人内容を掲載していることがあるので、より詳しく業務内容を知る手掛かりになるでしょう。
面接向け志望動機の考え方
- 「なんでうちの会社なのか?」の答えを用意する。
- 「うちの会社で何をしたいのか?」の答えを用意する。
志望動機では、企業側の懸念を払拭する内容で用意するのが正攻法です。面接では、さらに本人の口から志望動機を伝えますが、その際によく質問されるのが上の2つです。
「なんでうちの会社なのか」という質問には、「同業他社との比較において、御社だけが持っている強み・特徴に魅力を感じた。」とするのが、企業側にとって納得いく答えになります。
「うちの会社で何をしたいのか」という質問には、「経験やスキルを御社の業務でこんなふうに活かせます。」とするのが、企業側にとって分かりやすい答えになります。
志望動機はプレゼント
好きな人に気に入ってもらおうとプレゼントを渡すときは、何が好きなのか。何をもらうと嬉しいのか。をあらかじめリサーチできれば、確実に相手を喜ばせることができて距離が縮まるでしょう。
転職活動も同じです。企業が欲しい人材はどういう人かをリサーチしてから、「自分がそれに当てはまりますよ。」とプレゼンテーションできれば、採用の成功率は格段に上がります。
面接は、「なんでうちの会社なのか?」「うちの会社で何をしたいのか」という企業側にその答えをプレゼントする機会だと考えると、志望動機を話さなきゃならない目的が見えるはずです。
志望動機を考えられない
- 無理に考える必要はない。ピンとこない企業に応募してもムダ。
- 条件だけに着目して選んでいると、動機が見つからない。
- 自分に興味を持っていることがわかった企業にだけ応募する。
志望動機を考えられないときは、その企業の業務内容のどこに興味があるのかを考えてみたほうが良いでしょう。応募するために志望動機を無理やり考えても、熱意が伝わらない内容になるので採用されない可能性が高いはずです。
条件だけに着目して応募先を選んでいると、なかなか志望動機が見つからないかもしれません。転職先を探すときは条件面を真っ先に見ていくものですが、業務内容に自分の経歴・経験が当てはまるかどうかが重要です。今の職場を辞めるために転職活動をはじめた人は、志望動機を考えられない状況に陥りやすいでしょう。
志望動機を考えられない人には、スカウトサービスを利用するのが最善策になります。プロフィール(職務経歴)を置いておけば、企業側が転職希望者にアプローチしてくれます。(私の場合は、常にプロフィールを置いてスカウトを監視しています。)
自分に興味を持っている企業になら、志望動機を考えやすくなるはずです。なぜなら、自分に興味がある時点で、企業側が経歴・経験を自社の業務に活かせると判断しているからです。すでに共通点が見つかっているだけに、その企業で自分ができることを想像しやすいわけです。
まとめ
- 企業側がもっとも懸念しているのは、転職の経歴を持つ人を採用して、また辞めることになったら困る。ということ。
- 御社は自分に合っていることを根拠をもって説明し、働き続けることができる理由を付け加えることで、企業側が知りたいことに答えている志望動機になる。
- 共感や憧れも大事ですが、企業が知りたいのは「なんでうちの会社なの?」「うちの会社で何をしたいの?」というところ。これを志望動機に書かないと”的”に当たらない。
- 企業側の懸念は、「職場に合う人か」「業務を続けていける人か」というところ。この懸念を払拭する内容を志望動機に含めると、企業側は納得して安心する。
- 求人ニーズから逆算して企業側が欲しい人材像がわかれば、そこを突くことができる。
- 志望動機を考えられないときは、その企業の業務内容のどこに興味があるのかを考えてみたほうが良い。業務内容に自分の経歴・経験が当てはまるかどうかが重要。
- 志望動機を考えられない人には、スカウトサービスを利用するのが最善策。自分に興味を持っている企業になら、志望動機を考えやすくなるはず。
- 志望動機や自己PRが苦手という人は、転職に動く前に転職活動の方法を学べるセミナーを受けてみると良い。とくにはじめて転職活動する場合は「転職教室」や「はじめての転職」などのセミナーが効果的。