志望動機を考えると、どうしても転職理由と同じになっちゃう。
転職活動をしているけどなかなか採用されないという人には、転職理由を聞かれる理由を正しく理解できていないケースが多く見られます。
中途採用の面接では、志望動機はもちろん、ほぼ必ず転職理由を聞かれます。そして、この2つの質問はまったく違う意図で聞かれています。
- 転職理由を聞く意図:また辞めることにならないか
- 志望動機を聞く意図:どう活躍してくれるのか
転職理由が志望動機と同じになってしまう人は、「辞めたいから転職したい」という思考になっています。転職は「今の職場を辞めたい」からするのではなく、「経験やスキルを別の職場でもっと活かしたい」からすることに気付かなければ、採用されない状況が続くでしょう。
転職理由と志望動機が同じ
- 今の職場を辞めることが転職の動機になっている。
- 現職(前職)の不満を転職が解決してくれると思っている。
- 企業側が望む志望動機を答えられないため採用されない。
転職理由と志望動機は同じなのではないかと感じる人は、転職の動機が「今の職場を辞めること」になっています。辞めるために転職したいという思考では、志望動機を正しく話すことができません。不採用になる状況が続くでしょう。
嫌な職場から「逃げ出す」ことを自分自身でも容認できない気持ちがあって、「転職する」という都合のよい動機にすり替えてしまっているわけです。嫌な職場から離れたいなら、転職ではなく退職を先決しなければなりません。
現職(前職)の不満を転職が解決することはありません。不満を解決するのは自分だからです。転職理由でもっとも多いのは「職場の人間関係が悪かった」という理由です。でも、職場にばかり責任があるのではなく、自分側にどんな原因があるのかを見直すことも必要です。
上司や同僚とうまくいかない悩みは理解できます。どこの職場にも嫌なヤツは居るからです。しかし、学生時代は付き合う友達を選べても、社会では付き合う上司・同僚を選ぶことはできません。人間関係を理由に転職しても、転職先でまた人間関係の問題にぶち当たる可能性があることを覚悟しておくべきです。
転職理由と志望動機の違い
- 転職理由を聞く意図:また辞めることにならないか
- 志望動機を聞く意図:どう活躍してくれるのか
転職理由と志望動機は、あきらかに違います。それは、企業側が何を意図に聞いてくるのかを知ればわかることです。私は20代で6回の転職をしてきて、今の職場では面接に立ち会うこともあります。(人事ではないので、二次面接に同席しています。)
転職者側だけでなく、面接側の思惑もわかります。転職理由を聞く意図、志望動機を聞く意図は、私の経験では上のとおりです。
この違いがわかれば、転職理由と志望動機が同じではないことを理解できます。面接で企業側の望む答えを話すことができます。そして、不採用の地獄のループから抜け出すことができるはずです。
転職理由を聞く意図
- うちの会社(職場)で働き続けていけるのかを見抜きたい。
- また同じ理由で辞めることにならないかを懸念している。
- 現職(前職)を続けるために、やれることはやったのかを知りたい。
企業側が転職理由を聞く意図は、辞めた前歴のある転職者を採用することになるが、また辞めることにならないかという点を懸念しているからです。それで転職の面接では必ず「なんで辞めることにしたんですか?」と聞かれます。
問題を解決するために行動を起こす能力を持っているかという点も重要です。現職(前職)を辞める判断をするのは大変だったと思いますが、やれることはやったのかということも、企業側は気にしています。入社したあとで同じ問題にぶち当たったときに、なんとか続けるための努力ができる人であってほしいのです。
転職理由を聞いてくる面接官を意地悪に感じるかもしれません。でも、意地悪で聞いているのではありません。せっかく転職してうちの職場に来てくれるのだから、すぐに辞めるような事態になっては申し訳ない。という気持ちで転職理由を聞いています。
志望動機を聞く意図
- 会社(職場)の事や業務について正しく理解しているかを確認したい。
- どんな活躍をしてくれるのかを知りたい。
- うちの会社(職場)に合う人材なのかを判断したい。
企業側が志望動機を聞く意図は、どんな活躍ができると思ってウチの会社を選んだのかというところから、会社や業務との相性を判断したいためです。転職の面接では志望動機として「どうしてうちの会社か?」、さらに「うちの会社で何をしたいのか?」と聞かれます。
会社の事や業務について正しく理解していることを証明するために効果的なのは、同業他社との比較によるその企業だけの強み・特徴を志望動機として挙げることです。それが「どうしてうちの会社か?」への答えになります。
「活躍」という言葉を重く感じる必要はありません。いままでの仕事で培った経験・スキルをどう活かせると思っているのか。というくらいのものです。求人に記載された業務内容を見た時に、自然と働いている姿を想像できたことがヒントになります。「自分の経験・スキルが役立ちそうだな」と感じるはずだからです。それが「うちの会社で何をしたいのか」への答えになります。
20代の志望動機はキャリアプラン
職務経歴の浅い20代は、転職先で経験・スキルを活かせるというアピールができません。志望動機で困るのは「うちの会社で何をしたいのか?」と聞かれても、説得力を持った答えができないところです。実際、答えに窮した経験がある人もいると思います。
そのため、キャリアプランを持っていることが重要になります。いまのところは経験・スキルが少ないけど、こういう専門性を身につけてプロフェッショナルを目指したい。という筋書きで、そのために御社を選び、専門性を身につけるために働き続けるつもりであることを志望動機で話すのが正解です。
転職先は条件ばかりで選ぶのではなく、キャリアを見据えて選ぶのが正攻法です。自分がなりたい将来の姿をしっかり定めておくと、面接でも好印象を与えることができます。キャリアブランの過程で、その企業の強みや特徴が必要であることを志望動機にするのが正解です。
転職活動の基本を学ぶ
転職活動では、転職理由も志望動機も避けて通れない関門です。面接では必ず聞かれるし、正しい答えができなければ転職は成功しません。不採用が続いている人は、転職活動の正攻法を知らないケースが多いように感じます。
転職理由と志望動機を企業側が聞く意図はまったく違うものですが、同じストーリーのなかで関係性を持って語られるものです。
- こういうキャリアプランを持っている。(←キャリアプラン)
- そのキャリアプランは、現職(前職)の業務では実行できない環境だと判断した。(←転職理由)
- そのため、転職を決意して、キャリアプランを実行できる御社を選んだ。(←どうしてうちの会社か)
- だから、キャリアプランに沿って専門性を身につけようとするし、働き続けることができる。(←うちの会社で何をしたいのか)
転職理由と志望動機をこのように一連の流れで伝えることができれば、企業側に納得してもらいやすいでしょう。
志望動機を作るのが苦手なら、転職活動の方法を学べるセミナーを受講するのが手っ取り早い方法です。「転職教室」や「はじめての転職」のほか、「志望動機の作り方」「自己PRの作り方」などを学ぶことができます。すぐに転職活動に役立てることができる内容なので、転職活動に入る前に受講しておくと効果的です。
まとめ
- 転職活動をしているけどなかなか採用されないという人には、転職理由を聞かれる理由を正しく理解できていないケースが多く見られる。
- 転職理由と志望動機は同じなのではないかと感じる人は、転職の動機が「今の職場を辞めること」になっている。嫌な職場から「逃げ出す」ことを自分自身でも容認できない気持ちがあって、「転職する」という都合のよい動機にすり替えてしまっている。
- 転職理由と志望動機は、あきらかに違う。この違いがわかれば、不採用の地獄のループから抜け出すことができる。
- 企業側が転職理由を聞く意図は、辞めた前歴のある転職者を採用することになるが、また辞めることにならないかという点を懸念しているから。
- 企業側が志望動機を聞く意図は、どんな活躍ができると思ってウチの会社を選んだのかというところから、会社や業務との相性を判断したいため。
- 職務経歴の浅い20代は、転職先で経験・スキルを活かせるというアピールができない。そのため、キャリアプランを持っていることが重要になる。
- 転職理由と志望動機を企業側が聞く意図はまったく違うものですが、同じストーリーのなかで関係性を持って語られるもの。
- 志望動機を作るのが苦手なら、転職活動の方法を学べるセミナーを受講するのが手っ取り早い方法。すぐに転職活動に役立てることができる内容なので、転職活動に入る前に受講しておくと効果的。