「第二新卒になるのはやめとけ」とは、世間で一般的に言われることですが、経験者の私から言わせてもらえば「動くなら早い方がいい」に尽きます。
会社側がそう言うのは当たり前のことで、新卒採用や教育にお金がかかったし、上司は上司で自分の管理能力を問われるのが嫌なのでコレを言ってきます。
親は終身雇用のなかで働いてきた世代なので、第二新卒に理解も示しません。
それでも私は、自分を信じて第二新卒を選びました。そして、いま振り返ると転職は英断だったと思います。
なぜなら、本当に自分のやりたい仕事に向かって早いうちに軌道修正できたからこそ、今の充実がある。と確信できるからです。
目次
第二新卒やめとけは間違い
- さっさと見切りをつけたおかげで、今の充実がある。
- ポテンシャルで採用してくれる会社が、じつは結構ある。
- 自分に合っている仕事のほうが向上心を持って働ける。
私は新卒で入った保険会社を、2年目で見切りをつけて転職しました。
その保険の仕事は、足を使って1軒1軒、町の建設会社に飛び込み営業するレトロな営業スタイル。
毎朝7:30に出勤して、日中は飛び込み営業して帰社して事務処理、退勤するのは22時過ぎ。「1年目は土曜日も営業に出ろ」と言われていたので、休みは日曜日だけ。
よくやってたな…と今は思います。
パソコンスキルはぜんぜん身に付かないし、同世代から遅れを取っているような気がして焦りも感じました。
それに、「いずれネットで保険に入る時代になるだろうな」という保険業界の将来性への不安。
1年を過ぎた頃から、私は真剣に転職のことを考えるようになりました。「動くなら今しかないんじゃないか」と思えて仕方がなくなり、転職に踏み切ったわけです。
転職は早い者勝ち
転職は早い者勝ちだと感じます。椅子取りゲームに似ていて、第二新卒の採用枠が出たら、すぐに行動できる状態にある人がその椅子を取れるわけです。
転職というのは、じつは転職のことが頭をよぎったときから始まっていることに気付かない人は多いです。
ゆくゆく転職するか、しないかにかかわらず、転職の情報収集や求人を見てみるくらいの行動はしておくと将来の拓け方も違ってきます。
やめとけと言う人の本音
- 「石の上にも三年」と言う先人の教えを信じている。
- 「まだスキルが足りないし、転職先が見つからないのでは」と本気で心配してくれている。
- 「辞められたら、管理職の能力が低いと査定されちゃう」と身の上を案じている。
「第二新卒はやめとけ」と言う人の本音を知っておくと、転職をやめたほうがいいのかどうかの判断に役立つかもしれません。
石の上にも三年
「石の上にも三年」という言葉で諭してくれる人がいます。(昔の人が言った言葉を軽んじるつもりはありません。)
でも、違和感のある仕事を3年も続けるよりも、合っている仕事で出直して3年を過ごすほうが、学ぶことも身に付くことも多いのは確かです。
ぬるま湯に3年も浸かってたら、ふやけちまうわ
と思うくらいでいいのではないでしょうか。今はネットで情報を収集できる時代。3年もかけて覚えることのほうが少ないような気がします。
3年という時間はとても長く、貴重です。
スキル不足を本気で心配
「転職先が見つからないのでは」と心配してくれる先輩は、とても優しい人です。お気持ちはありがたいけど、なんか余計なお世話にも感じるのも事実。
しかもなぜか、一度も転職したことがなく、ずっとその会社に居る先輩に限って心配してくれるのが不思議です。
おまえこそ何年、同じ仕事してるんだよ
転職しない先輩こそ、他で通用するスキルがない人です。その会社に居ても大したスキルは身に付かないことを、先輩が証明しています。
それこそ、転職できなくなってしまいます。
身の上を案じる上司
「第二新卒だけはやめとけ」と上司が言ってきたら、その言葉をまったく信用することはできません。
上司が何のために言ってきたのか。それは「部下が辞めたとなると、管理職の能力がないと見られて査定が下がっちゃう」と身の上を案じていることがほとんどだからです。
偉そうに言ってきたと思ったら、てめえの心配かよ
他人の本音なんてそんなもの。「第二新卒はやめとけ」という言葉に惑わされる必要はなく、自分を信じるチカラこそが転職を成功に導きます。
やめとけと言われる理由
- 経験やスキルが足りず、即戦力にならないから。
- すぐ辞める人だと思われるリスクがあるから。
- 給与や待遇が下がる可能性があるから。
「第二新卒はやめとけ」と言われるのは、転職活動を危ぶむところが大きいです。
即戦力にならない
第二新卒で転職する場合に多くの人が不安に感じるのは、経験やスキルが不足している点です。
とくに就職して1~2年で転職するときは、転職市場でも即戦力として期待されることはありません。
そのため、求人を出す企業側も第二新卒が即戦力にならないことくらい承知しています。
それでも第二新卒の枠を設けるのは、20代前半の若さゆえのポテンシャルに期待しているからです。
つまり、経験やスキルが足りないことを気にする必要はないということです。
今後のキャリアをどう描いているか。というところを企業は見ています。
すぐ辞める人だと思われる
第二新卒での転職活動では、「もしかしたら、すぐ辞める人かもしれない」という懸念を持たれることは仕方ないことです。
それで企業側は面接で「どうして辞めたんですか」という質問から掘り下げていきながら、懸念を払拭しようとしてきます。
つまり、すぐ辞めるかどうかの見極めに使われるのは、退職した理由ということです。
第二新卒の転職活動では、退職した理由を適切に答えるのが重要なポイントになります。答えを間違えているかぎり採用されることはありません。
給与や待遇が下がる
第二新卒の転職では、給与や待遇が下がる可能性があることを覚悟しておくことも必要です。
この点の考え方は人によりますが、
- 自分のやりたい仕事をやれるなら多少下がってもいい。
- 未経験の仕事だから下がるのは当たり前。
と考えることができる人は、転職先を探す範囲を広く取ることができます。
20代前半の給与で、それほど大きな差がつくわけでもないでしょう。個人的には、自分が本当にやりたい仕事をやることに意義を感じます。
第二新卒の転職の実態
- 新卒で就職した人の3人に1人は、3年以内に離職している。
- 第二新卒の半数以上は、在籍期間が1年未満だった。
第二新卒を対象にしたアンケートの結果からは、第二新卒の転職は別に珍しいことではないということが分かります。
3人に1人が3年以内に離職
出典:厚生労働省『新規学卒者の離職状況(大卒)』
新規学卒者(新卒のこと)で就職した人の3人に1人が、3年以内に離職しています。
就職率は100%に近づいて増えていますが、離職率は30%強で推移しています。
第二新卒になることは、別に珍しいわけではないことが分かります。
半数以上が在籍期間1年未満
出典:UZUZ『第二新卒として転職活動をしている人へのアンケート結果』(母数523名)
第二新卒として転職活動している人の半数以上は、在籍期間が1年未満です。
転職を決意した人は、意外と早く転職に動いていることが分かります。
入社して1年も経っていないことを負い目に感じる必要はなく、むしろ早ければ早いほど新卒に近い状態で再出発できるという見方もあります。
第二新卒に枠を設けている企業はけっこう多くあります。3人に1人は辞めるので、若い人材が足りなくなる企業もあるわけです。
第二新卒やめとけを無視して転職すべき人
- 本当はやってみたい仕事、憧れの仕事がある人。
- 会社や仕事の将来性に見切りをつけている人。
- あまりに過酷な労働環境にある人。
第二新卒で転職するというのは、とても勇気が要る選択になります。
私の場合は、仕事の将来性に見切りをつけたのもあるし、過酷な労働環境に心身が限界を感じていたのも当てはまります。
やってみたい仕事がある
どうしてもやってみたい仕事がある。その仕事なら生きがいを感じるはず。と確信できるのが転職の動機として一番良いでしょう。
志望動機も明確になるし、面接でもポジティブに受け止めてもらえます。
就活では諦めたけど、どうしてもやってみたい仕事があって心残りに感じている場合は、動くなら早い方がいいです。
将来性に見切りをつけている
やっている仕事がどうにも古臭く感じたり、ぜんぜん頭を使わないルーティーンだったりすると、「この仕事、将来もあるのかな」と心配になります。
私のやっていた保険営業は、昔からずーっと同じ飛び込み営業スタイルだっただろうし、ネットの時代になっているのに営業スタイルが変わる気配がありませんでした。
直感でもいいと思います。この仕事は将来が無いな。と思ったらさっさと見切りをつけて動くべきです。
過酷な労働環境にある
過酷な労働環境にある場合は、心身を壊す前に脱出することを考えたほうが良いです。
仕事に追われていると、つい視野が狭くなりがち。でも、世の中にはたくさんの仕事があり、ゆとりの中で働いてそれなりに稼いでいる人もいます。
そんなに働かなくても生きていけることは、次の仕事に転職すれば分かるでしょう。
ついでに読んでおきたい記事
第二新卒って相当やばいのか【過去の話だからカード切れ】まとめ
- 転職は早い者勝ち。椅子取りゲームに似ていて、第二新卒の採用枠が出たら、すぐに行動できる状態にある人がその椅子を取れる。
- 「第二新卒はやめとけ」と言う人の本音を知っておくと、転職をやめたほうがいいのかどうかの判断に役立つ。とくに上司は保身のために言ってくるケースが多い。
- 「第二新卒はやめとけ」と言われるのは、転職活動を危ぶむところが大きい。しかし、求人を出す企業側も第二新卒が即戦力にならないことくらい承知している。
- 新卒で就職した人の3人に1人は、3年以内に離職している。
- 第二新卒の半数以上は、在籍期間が1年未満だった。