私は新卒で入社した保険会社で、飛び込み営業をやっていました。
最初は愚直に飛び込みを繰り返していましたが、断られてばっかりの現実に直面すると心が折れてきました。
私は2年で辞めましたが、その間に得たこと、感じたことがありますので、書き綴ってみました。
飛び込み営業とは何だったのか
飛び込み営業とは、アポなしで会社や個人宅に訪問して売り込みをかける営業手法です。
私が新卒で入った保険会社も飛び込み営業でした。入社してすぐ研修が始まり、研修でいきなり飛び込み営業をやらされました。
1000字くらいのセールストークを覚えさせられ、
「インターホンを押したら、とにかくセールストークを一気に最後までしゃべり切れ」
と研修センターを追い出されるようにして、飛び込み営業が始まりました。
営業の仕掛け方を短期間で身につけるのには良い方法です。
そして、それよりも度胸が付くというのが目的として大きかったのではないかと思います。
実際、何件も何件も断られて、それでも飛び込み続けるためには「開き直り」のような、心を殺す作業が必要でした。
なぜ今の時代に飛び込み営業があるのか
私は、かつて自分が勤めていた保険会社のホームページを見てみました。
やっぱり思ったとおり、
今も変わらず、飛び込み営業。
ずーっとこの営業スタイルを続けているようです。
飛び込みの営業スタイルが残っているのは、今どきだと保険、住宅リフォーム、ネット回線…くらいかなと思って、ちょっと調べてみると、
| 個人宅 BtoC |
生命保険・住宅リフォーム・ネット回線・浄水器・太陽光パネル・投資用不動産・害虫駆除 |
|---|---|
| 企業・法人 BtoB |
コピー機・複合機・OA機器・オフィス用品・観葉植物・ウォーターサーバー・玄関マット・清掃用具・衛星消耗品・電力契約・電気代削減・通信回線・法人携帯・防犯カメラ・セキュリティ・求人広告・Web広告・Web制作 |
飛び込み営業は、個人宅(BtoC)だけではなく、中小企業を一軒ずつ回るBtoB営業で普通に取り入れられていることがわかり、これは驚きでした。
私は、飛び込み営業というのは廃れていくと思い込んでいましたが、
商材によっては今でも訪問販売が適しているモノがある
ということなのだろうと思います。
実際にやってみてどうだったか
飛び込み営業をやってみると、想像を超えるしんどさでした。
これほど話を聞いてもらえないとは思っていなかったし、
こんなに労力と成果が見合わないとも思っていませんでした。
精神的に追い詰められる
飛び込み営業の成約率は、かなり低いです。扱う商品にもよるとは思います。
私の場合は法人向け保険商品でしたが、
飛び込み営業を10件やると、1件くらいは見積り提案(再訪アポ)を取れる。
↓
見積り提案をした中で、1件くらいは成約に至る。
といった感じです。
会社もそれをわかっていて、「とにかく飛び込め」「数打ちゃ当たるんだ」と発破をかけてきます。
しかし、実際には100件回れば1~2件が確約されているなんてことはなく、調子の悪いときは200件、300件回っても成約しないこともあります。
こうなると悪循環で、元気がない、明るさがない、表情が暗いとますます成約しなくなってくるものです。
売れなくなっているとき、成績が悪いときの居心地の悪さといったら、思い出すだけで胃がキリキリしてきそうです。
常識的な感覚がマヒしてくる
飛び込み営業は、アポなしで家(会社)に訪問して、相手が欲しいわけでもないものを売り込むという、
かなり非常識な営業手法
です。
当然、迷惑がられるし、嫌がられるし、ほとんど断られます。
でも、こっちとしては多少しつこくしてでも、話を聞いてもらって成約に近づけなければなりません。
相手の迷惑を考えてたら、機会損失するだけなのです。
常識的な感覚がマヒしてるというか、神経がイカれてるというか。
1年も経つころには、
「この保険は建設業には絶対必要だし、訪問してでも案内するのは、むしろ親切。」
と思うことで、飛び込み営業を正当化するようになっていました。
自分に合っていないと感じる
保険会社で飛び込み営業をやってみて、自分の性格には合っていないと感じました。
ずーっと引っかかっていたのは、飛び込み営業というもの自体が相手の都合を考えない自分本位な行動であるというところです。
「いきなり行ったら迷惑だろうな」という、常識的な感覚が離れず、いつも訪問前に気持ちを振り切る必要がありました。
そして、こうも思います。
自分はこれを
仕事として一生やっていきたいんだろうか?
私は、営業という仕事が自分のやりたい仕事ではないような気がして、結局は転職することにしました。
飛び込み営業は意味あるのか
飛び込みスタイルの営業に意味はあるのか。私も、飛び込み営業をしながら、ときどきこの疑問について考えました。
飛び込み営業を繰り返しているけど手ごたえを感じないときは、
何の意味があるんだろう?
と、少しでも自分の行動を肯定できる理由が欲しくなるわけです。
ヒトを売り込む効果はある
私が扱っていたような保険商品は、実物がありません。
だから、「私」を見てもらって、話を信用してもらうしかないわけです。
ヒトを売り込むという点で、飛び込み営業での対面は効果があると思います。
ドアを開けてもらえたなら、「私」という具体的な人の姿を見せることができて、誠実さや丁寧さを売り込むことができます。
中には話が好きな人がいる
ごく稀にですが、人と話すことが好きな人がいます。こういう人には、飛び込み営業はハマります。
こういう人はだいたい優しくて、「大変だね」と労わってくれます。
売れるかどうかは別ですけど。
私は、初訪で気に掛けてもらって親しくなるうちに、のちに自動車保険に入ってもらったことがありました。
目的は見込み客を探すこと
飛び込み営業の意義は、結局のところ見込み客を探すということだと思います。
ほとんど断られる中でも、運よく顔を見て話ができたときに、
まず人を信用してもらい、
再訪するきっかけを作る。
ドアを開けてもらえたなら、見込み客に繋げられる可能性があるというところで、飛び込み営業する意味はあると言えそうです。
飛び込み営業に適性はあるか
飛び込み営業には適性があると思います。
言葉を選ばずに言うと、無神経で図々しい性格の人には合っていると思います。
・他人への迷惑なんか考えない、自己中なタイプ
・他人に遠慮なくモノを頼める、図々しいタイプ
・他人の心境など気にもせず、無神経に何でも言うタイプ
こういうタイプは、他人の家の敷地にずかずか入ってインターホンを押して「買ってくださいよー」と言えるんだろうと思う。
あと、適性ではないですが、
追い込まれた状態にある人
も強いと思います。返さなければならない借金がある人、支えなきゃならない家族を持っている人なら、飛び込み営業に躊躇してる場合じゃないでしょう。
逆に適性が無いのは、
子供のころから
「人の迷惑を考えなさい」「人の邪魔になるからダメ」「図々しいからやめなさい」「嫌がってるんだからやめなさい」
などと、親から口うるさく躾されてきた人で、まず他人の心境を考えてしまうため飛び込み営業には適さないと思います。